- 2026.09.08
欧州車は永久自動車!ガレージイガラシ
オートダイレクトが販売するクラシックカーはどんな整備をされているのか?
EPオートに続いて新旧輸入車の整備を手掛けるガレージイガラシを訪ねた。

ガレージイガラシの整備スペースは広く5人のメカニックが担当のクルマを整備していた。
戦前のロールスロイスから最新のメルセデス・マイバッハまで扱っている車種は多様だ。

工場長の小林正次さんが取材に対応してくれた。
「オートダイレクトの代表と出会ったのは、アストン・マーチン・オーナーズクラブのイベントだったと思います。それをきっかけにオートダイレクトさんの納車整備を行うことになりました。お付き合いを始めて15年ぐらいになると思います。うちはジャガー、アストン・マーチンが多いですね。アストンといってもDB5やDB6。うちが得意としているので」
オートダイレクトは主にイギリス車の納車前点検や車検をガレージイガラシに依頼している。整備しているジャガーEタイプ・シリーズⅠは、なんとオートダイレクト代表の個人車だという。ガレージイガラシに対する信頼の高さがうかがい知れた。

オートダイレクトから持ち込まれるクルマのコンディションはいいものが多いという。
「代表の角田さん以下、スタッフの見る目があるんだと思います。これは手がかかるというクルマには手を出さないんじゃないですか。それはお客さんにとってもいいことだと思います」
クラシックカーのパーツはいまでも手に入るんですか?
「部品で困らないのはイギリス車とアメリカ車でしょうね。ジャガーで言うとEタイプの前のXK120、140、150などの部品もあります。海外の自動車メーカーは部品の製造権を外部に売るんです。だから、パーツを作るメーカーがあって手に入るんです」
新旧様々な欧州車が並んでいますが、対応が大変ではないですか?
「クルマの資料は海外からその都度取り寄せてから作業していますから問題ありません。戦前のクルマはマニュアルが存在しませんので、海外の専門店に相談したり、同年代のクルマの画像で検証したりしています。一方、新しいクルマはメーカーの専用テスターがないと診断できないものもあります。それはディーラーさんにお願いしています」

戦前のクルマでも見れば、それがオリジナルの状態かどうかは判断できるという。
「私たちが長く仕事を続けてこられたのは、戦前のクルマを手掛けてきたからです。戦前のクルマをみられるところは少なくて、よく相談を受けます」
単に部品を交換するのではなく、修理をするというのもガレージイガラシの特徴だ。
「海外のクルマは部品到着まですごく時間がかかるものもあります。修理できるものは極力修理して、乗られるようにするというのが創業者の考えです。その考えをいまも引き継いで作業をしています」
これはすごいと思ったクルマはありますか?
「戦前のロールスなんかはすごいですよ。燃料供給装置の発想などは驚きです。いまは電気的にポンプを使ってガソリンをタンクから送っているじゃないですか。初期のロールスは圧縮ポンプを使い、タンクに内圧をかけてキャブレター側にガソリンを送っている。この年代にすごいことを考えたなあと」
そして、ヨーロッパのクラシックカーはいまでもきちんと整備すれば乗り続けることができると言った。

「消耗品さえ変えれば何年でも乗れると思います。そもそも、そういう考え方で作られているからです。日本のメーカーはどんどん新しいクルマに乗り換えてもらうことが前提です。だから生産されてから7~8年で部品の供給をやめてしまうんです。クルマを消耗品だと思っている。戦前からラリーやレースで盛り上がっていたヨーロッパとはクルマ文化が違うんです」
きちんと手をかけられたヨーロッパのクラシックカーに乗れば、その国のクルマ文化も味わうことができるだろう。

文=荒井寿彦
写真=茂呂幸正

