- 2026.08.26
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ポルシェ911一筋! EPオート
名車と言われるクラシックカーを販売するオートダイレクト。
仕入れたクルマは必ず万全な整備をしてから納車するという。
オートダイレクトの納車前整備を手掛ける協力工場をENGINE誌などで活躍するフリーライター、荒井寿彦が取材した。

クラシックカーの購入とは出会いである。目の前にある個体はまさに換えがきかないオンリーワンだからだ。その出会いがオーナーにとって幸せな結末を迎えるものになるかどうかは、個体のコンディションによると言ってもいいだろう。
オートダイレクトが販売するクラシックカーはどんな整備をされているのか? まずは主に空冷のポルシェ911を整備しているEPオートを訪ねた。

EPオートに到着すると、356、911T、993ターボなど空冷のポルシェ911が並んでいた。
ミツワ自動車でずっとポルシェ911の整備を続けて来たメカニックが1977年に創業、いまは息子さんに社長の座を譲っている。

先代の社長に早速、ポルシェ911の魅力を聞いた。
「まず軽さですかね。そして、ハンドリングの素晴らしさ。僕はクルマを運転するのがおっくうな歳になりましたが、911なら運転したい(笑)」
メカニックの目から見ても驚くことが多いと言う。
「その当時のすごく洗練されたものでクルマ全体が構成されています。この時代によくこんなものを作ったなあと思いますよ」

現社長の息子さんも同じ意見だ。
「基本設計がずっと変わっていないのに、その年代に応じての新しさがある。そこがすごいですね」
クラシック911のパーツはいまでも手に入るのだろうか?
「あります。ポルシェのすごさがそこですね。世界中で愛されているクルマだから部品があるんです。古い911の部品を作っている会社があるぐらいです。911は50年以上前のものでも7割が現役で走行していると言うじゃないですか。それは部品があるからです」

もちろん、EPオートのような専門知識をもったメカニックがいることもポルシェ911が長く乗り続けられている理由だろう。
さて、古いポルシェ911のオーナーになったとして、気を付けなければならないことを先代社長に聞いた。
「ないですよ! きちんと整備されたポルシェ911はどんな年代のものでも、なんの心配もいりません。安心感がほかの旧車とは全然違う。僕はやっぱり世界一のクルマだと思います」
ポルシェ911一筋でやってきた先代社長の言葉は重かった。

いまでもラクに乗れるように、EPオートでは後付けクーラーの設置も行っている。コンプレッサーをきちんとエンジンルームに収め、コンデンサーはタイヤハウスに設置するのだそうだ。この技術でEPオートは千葉県知事から経営革新優秀企業賞を受賞したそうだ。 オートダイレクトから預かったポルシェ911は万全の体制で整備していると先代社長は言う。
「たとえば、これはオートダイレクトさんから預かった993のエンジンなんです。ちょっとオイル漏れがあった。ほとんどのところがシールとオーリングの交換で終了です。うちはヘッドボルトも全部交換します。これだけで30万円ぐらいかかるけれど、その分安心です。ちゃんとしたものを納車すればお客さんが喜びますから。それはオートダイレクトの代表と同じ意見です。だからオートダイレクトさんのところの911は、ほかのお店と比べたらものすごくおカネがかかってますよ」

ずっとポルシェ911の整備を続けてきて専門知識を蓄えてきたことが、いまも役に立っているという先代社長。
ポルシェ911という息の長いクルマだからこそ、その知識と経験がいまも活かせている。そして、それが息子さんに継承されているからとても安心できる。 オートダイレクトのショールームに飾ってある空冷のポルシェ911がいっそう魅力的に見えた。

文=荒井寿彦
写真=茂呂幸正

